「ワークスタイルの未来を切り拓く」という理念を掲げ、企業の働き方をより良くする事業を展開する株式会社コラボスタイル。
2023年、同社の全社的な評価制度の見直しを契機として、開発部では「評価制度構築プロジェクト」が発足しました。その推進においては、Cacooが重要な役割を果たしたといいます。具体的な活用方法と効果について、ノンビン氏と鬼頭氏に詳しくお話を伺いました。
■課題:
・組織の拡大に伴い、開発部独自の評価制度の策定が求められた
・メンバーがキャリアビジョンを描けるよう、キャリアパスを可視化する必要があった
■効果:
・開発部のキャリアパスや評価制度をアジャイルで構築し、Cacooで可視化した
・Cacooを基盤にしたオープンな議論により、評価の公平性と透明性が確保され、開発部全員が納得感を持てた
・部門を横断し、全社的にCacooの活用が広まりつつある
目次
リアルとデジタルの両軸から、企業の「働き方」を支援
── 御社の事業についてお聞かせください。
私たちは「ワークスタイルの未来を切り拓く」という理念のもと、働き方を良くする2つの事業を展開しています。
1つ目は、デジタルワークプレイス事業です。オフィスワークを効率化するワークフローシステム「コラボフロー」をはじめとするITソリューションの開発・提供を行っています。
2つ目は、ワークスタイル事業です。働く一人ひとりにとって快適さと働きがいをもたらすようなオフィスのデザインから設計、工事までを一貫してサポートしています。
リアルなオフィス環境づくりにおいて私たちが目指すのは、単にデザイン性の高い、“かっこいい”オフィスを創ることではありません。その会社が持つ魅力や歴史、文化や働き方、地域性を丁寧に汲み取りながら、それぞれの会社に最適なオフィスを提案しています。
また、働き方を良くする事業を提供する立場として、自社の働き方も継続的にアップデートしています。そうした取り組みが評価され、Great Place to Work®︎Institute Japanが選出する「働きがいのある会社」に3年連続で認定されたほか、数々の表彰をいただいています。
── お2人の担当されている業務について教えていただけますか。
私たちは開発部に所属し、主に「コラボフロー」の開発に携わっています。私はビジネスプロダクトマネージャーとして、プロダクトと事業戦略をアラインさせるため、経営層と開発組織との橋渡し役を務めています。鬼頭はその補佐役として、プロダクトの機能開発から実装までの工程管理やチームのマネジメントが担当です。
Cacooを活用し、リモートワークで議論と共同編集を重ねる
── 今回お2人が取り組んだ、「評価制度構築プロジェクト」が発足した背景について教えてください。
きっかけは、全社的な評価制度の見直しです。社員数が急増する中で、評価の責任と権限を代表から各部門長へと移管することになりました。
営業・エンジニア・コーポレートなど、部門ごとに求められるスキルや評価軸は異なります。そのため、新しく作られた全社共通の評価制度を一階層とし、各部門独自の評価制度を二階層にとする、新しい全体指標をもとに評価制度を作成することになったのです。開発部では、私たち2名を含むマネージャー5名体制でプロジェクトチームを組成しました。
── プロジェクトの推進に、Cacooを活用されたそうですね。
私は前職でもCacooを活用していて、その使いやすさを実感していました。Cacooは、誰もがわかりやすく操作でき、シンプルに思考や情報を図示化・視覚化できるツールです。リアルタイムでの共同編集がスムーズに行えるので、リモートワーク環境での活用に最適だと考えました。
もともと開発部では、ネットワーク構成図の作成を目的にCacooを導入していましたが、操作に慣れていないメンバーも多くいたのです。そこで、Cacoo上で組織図を作成するなどの練習の機会を設けることで、スムーズにCacooを利用できる環境を整えました。その後、オンラインで図を作成したり共有したりしながら、プロジェクトを進めていったんです。
── 具体的な取り組みについて教えてください。
実は、プロジェクトが発足する以前の2022年末頃から、私たち2人でエンジニアのキャリアパスを可視化するための取り組みを始めていました。Cacoo上で少しずつアイデアを出し合いながら、考えをまとめていった経緯があります。
将来的な組織拡大を見据えて、開発部内の一人ひとりが自分の現在地を理解し、それぞれのキャリアビジョンを描ける状態を目指したのです。
キャリアパスの設計においては、まずどのようなロールが存在するかをすべて洗い出し、各ロールに求められるスキルを細かく定義していきました。そして、ジェネラリストとスペシャリスト、それぞれのつながりも考慮して「現状のロールからどのようなキャリアパスを描くことができるか」がわかるように図を作成していきました。
5名体制で評価制度の構築を始めてからは、スキルの数値化に着手し、それぞれのロールで求められる基準値を明確に定めました。すでに作成していたキャリアパスに、その評価基準を照らし合わせて、整合性が取れない場合は議論を重ねて修正していったのです。
このようにアジャイル的に構築していくにあたり、リアルタイムで共同編集ができるCacooはとても使い勝手が良かったですね。図に変更を加えるたびにシートを分け、バージョン管理のように履歴を残していきました。
評価に対する納得感を持ち、メンバーがキャリア目標を描けるように
── 現在、評価制度はどのように運用されているのでしょうか。
作成したキャリアパスや評価内容はCacoo上にまとめて公開し、開発部の全員がいつでもリアルタイムに確認できる状態にしています。Cacooで作成した図は社内プラットフォーム上にも掲載し、メンバーの自己申告評価やコメントの入力はそちらで行う運用です。
── 評価制度の構築後、部内に変化は起こりましたか?
新しい評価制度の運用開始以降、評価に関してメンバーから不満の声があがったことは一度もありません。現在ロールに求められているレベルに対し、自分がどこまで到達できているかが数値化されるため、評価の公平性と透明性が確保できたからだと認識しています。やはり、評価に対する納得感を持てることが何より大切ですよね。
── それはすばらしい効果ですね!
さらに、想像以上の変化も起きました。これまで「自分のキャリアに明確な目標が持てていない」と言っていた若手メンバーが「次はこのロール、この等級を目指したい」と具体的な目標を語ってくれるようになったのです。
自分の現在地やキャリアの選択肢が見えないと、どこを目指してよいかわからなくなってしまうものです。そして、自分の道は、人に教えられて進むものでもありません。だからこそ、先々にはどのような可能性が存在し、次のステップに行くためには何が必要なのかを示すことが重要だと考えています。そうすることで、自らのキャリアを描き、つかみ取れるメンバーが増えていけば嬉しいですね。
部署間の情報共有や相互理解にも、Cacooを活用していきたい
── これまで開発部での取り組みを伺ってきましたが、全社的なCacooの活用状況はいかがでしょうか。
全社としてCacooの日常的な活用も、少しずつ広がりを見せています。例えば、セキュリティ部門がインシデントのレスポンスフローをCacooで作成するなど「何かしら図を描く場面ではCacooが使いやすい」と認知されるようになってきました。
開発部でも、若手エンジニア向けに「ノンビン塾」を開催し、フローチャートやシーケンス図などのレクチャーを行っています。私たち自身もCacooのファンとして、個人の思考整理やチーム内のブレストに幅広く活用しているんです。
── あらためて、お2人が感じるCacooの魅力と、今後の展望についてお聞かせください。
Cacooの最大の魅力は、シンプルな操作性と高い自由度を併せ持ち、情報の視覚化に優れている点です。特にオンラインでの共同編集が可能になることで、メンバー間の一体感を生み出せます。私たちにとって、Cacooは替えの利かないツールですね。
何より、誰にでもパッとわかりやすく伝えられるという大きなメリットがあります。今後は部署間の情報共有や、相互理解にも活用できるのではないかと期待しています。
「Cacooを使えば、もっとかんたんに楽しく作図できる」ということを社内のメンバーに体験してもらいたいですね。部署の垣根を超えてCacooの価値を伝えていき、全社横断で使える状態を実現したいです。
── ありがとうございました!