マインドマップの書き方と4つの活用事例(図説あり)

新しい事を覚えるのが苦手、今までになかったアイデアや解決策を思いつくのが難しい、と感じているあなたは、もしかしたら効率的な思考法をしていない可能性があります。

マインドマップとは、人間の脳の仕組みに合った発想・思考法です。書き方を理解すれば、記憶力や発想力を高める効果が期待できます。

「マインドマップという言葉は知っているけど書き方が分からない」

「具体的な使い方を教えて!」

というマインドマップについて知りたいあなたに向けて、マインドマップの書き方を作成例を交えながらわかりやすく解説していきます。

マインドマップとは?使う目的や効果について

マインドマップとは

具体的なマインドマップの書き方や使用例を解説する前に、マインドマップの概要や使う目的、効果など基本的な知識を紹介します。

基本知識が漠然としたまま使用例を真似しても、効果が十分には現れず、ちょっとした事で使わなくなってしまいます。まずは「なぜマインドマップを使うのか?」を明確にしてから書き方や使用方法へと進んでいきましょう

マインドマップとは

マインドマップとは、学習能力や理解能力を高めるための脳の使い方のことです。1970年代に活躍した英国人作家トニー・ブザン氏が「マインドマップ」という言葉を世に広め、現在の使い方が確立されました。

マインドマップは、用紙の中央に議題となるメインテーマを配置して、テーマから連想されるアイデアや情報を線で繋げながら、分岐させるように放射状に展開していく思考方法です。

マインドマップの他にも「アイデアマップ」や「スプレー図」「メモリーツリー」など複数の呼び名が存在しています。

マインドマップを使う目的

マインドマップを使う目的

マインドマップを作成するには、関連するキーワードを連想したり、想像したりしながら整理する力が必要になるため、作者の記憶力・理解力・発想力を向上させる目的として使われます。

また、頭の中にあるアイデアや複雑なテーマを、一枚の絵のように全体を俯瞰できる図形として可視化できるようになります。

作成した図は各要素が分解され、線で関連付けられた図形になりますので、複雑な発想や計画を理解するための資料として、他者を助ける目的にも利用可能です。

マインドマップで得られる効果

マインドマップで得られる効果

マインドマップでは、脳にある意味記憶の構造に適した方法で頭を使うため、物事の記憶能力や理解能力を向上させる効果があります。

また、メインテーマを構成する要素を文章ではなくキーワード(2から3つの単語)で繋げていくため、複雑な内容でもコンパクトな空間にまとめて表現できるメリットがあります。

使ってみれば一目瞭然ですが、理解しがたい複雑な問題でも目に見える形にしながら理解する方法としてとても効果的です。複雑と感じる部分を具体化することで、行動に移すための意思決定能力も向上します。

初心者が押さえておきたいマインドマップの作り方

 

マインドマップは、初心者ほどルールにこだわる傾向があります。ですが、マインドマップは能力を向上させるための道具ですので、作成することが目的になっては本末転倒です。

まずは押さえておきたいポイントだけ理解して、実際に利用して効果を実感したほうが自分のためになります。

「マインドマップをなぜ使うのか?」が明確になっていれば、基本的な知識だけでも多くの場合で効果が実感できるはずです。

基本的なマインドマップの書き方

マインドマップの書き方

マインドマップは、用紙の中心に議題となるメインテーマを書くことからはじめます。関わっているプロジェクト名や問題点、目標など、解決するべき事柄や学びたい事を用紙の中心に配置しましょう。

次に、関係するキーワードをメインテーマから木の枝が分岐するように線でつなげて追加します。マインドマップでは、各要素をつなげる線のことを「枝(ブランチ)」と呼びます。

例えば、「Webサイト作成」というメインテーマなら、「目的」「コンテンツ」「デザイン」など連想される要素をそれぞれひとつずつブランチで繋げてください。

その後は、追加した各キーワードをさらに詳細に分解していきます。「Webサイト作成」→「目的」と繋がっている項目では、「集客」「自社紹介」「物件管理」などなど、連想されるキーワードを繋げましょう。

ブレインストーミングを行うように、テーマに関するキーワードを出し切るまで続けてください。

出し切った後は、重要度が高いキーワードをメインテーマの近くに再配置したり、すぐに行動に移せる事柄を末端に持ってきたり、関連性によって各キーワードを並べ替えて整理します。

情報を整理しながら全体を俯瞰して観察したり、各キーワードの関係性を考えたりすることで、問題に集中し記憶力・理解力・発想力が高まった状態になります。

マインドマップのルールとは?

マインドマップを提唱したトニー・ブザン氏によると、マインドマップには以下の12のルールというものがあります。

マインドマップ 12のルール
無地の用紙を使う ブランチは曲線で
用紙は横長で使う 強調する
用紙の中心から描く 関連づける
テーマはイメージで描く 独自のスタイルで
1ブランチ=1ワード 創造的に
ワードは単語で書く 楽しむ

それぞれのルールには守るべき理由があるのですが、そもそもマインドマップとは情報を効率的に深く理解するための道具です。

いくらルールに従ったマインドマップを作成しても「情報を深く理解できた」という効果がなければ無意味になります。

例えば、講義の内容をメモ代わりにマインドマップを使って記憶したり、頭の中のアイディアを速記で整理したりするなど、記入する状況や制限時間によっては上記のルールをすべて守るのは難しいこともあります。

ですが、そのような状態でもマインドマップを使って物事を記憶・整理している学生やビジネスマン、経営者も多くいらっしゃいます。効果があるからこそ自分なりの方法でマインドマップを利用しているのです。

すべての場面で同じルールを必ず適用しなければ意味がないものではありません。目的は自分の能力を伸ばすことですので、自分に合った速度で活用できるルールを見つけることが重要です。

効果的に作成するためのポイント

効果的に作成するためのポイント

誰が使ってもマインドマップを作成するときに便利なポイントとして、

  1. 大きな用紙の中央からはじめる
  2. 抽象的なアイデアから具体化する
  3. アイデアを追加して細分化する

というポイントがあります。

1. 大きな用紙の中央からはじめる

用紙を大きなものにすれば、アイデアを書き込むスペースが増えます。マインドマップは、想像力を働かせながら内容を出し切ることで最大限に効果を発揮します。書き込むスペースが少なくなると比例して発想力も縮小してしまいますので、スペースは十分にとりましょう。

2. 抽象的なアイデアから具体化する

枝を伸ばすときには、抽象的なアイデアから徐々に具体化していくほうがスムーズにキーワードを増やしていけます。

3. アイデアを追加して細分化する

さらに、最初は気付かなかったキーワードや関係性は後から記入することにして、どんどん枝を伸ばしたほうがマップの作成が簡単です。しかし、時間をかけて問題を細分化しながらアイデアを出したり、違う枝同士の関係性を矢印で繋げたりすることで、脳が十分に活性化されます。

新たなアイデアや今まで気づかなかった方法を発見できる可能性が増えますので、伸ばした枝でも面倒くさがらずにアイデアの追加や気付いた関係性はどんどん追加するようにしましょう。

4つのマインドマップ活用シーン

マインドマップの書き方と合わせて、どのような場面で利用するのが効果的なのか、目的やケースごとに具体例を出して解説していきます。

1. 学習ノートに使い記憶力を向上させる

マインドマップは作成が容易で、物事のポイントを捉えやすい技術です。

さらに、ノートに記入したメモの要点を整理して、全体の構造や一連の関係性を理解する使い方にも向いています。

例えば、歴史上の人物に関する知識を「時代」「所属組織」「家族」など系統ごとに分解して記録したり、整理したり、他の人物や出来事の項目と関連付けて再度深く記憶に残すといった使い方もできます。

その他にも、テストの出題範囲全体を系統立てて分類し、学習スケジュールを組むといった、タスクやプロジェクト管理ツールとしても利用できます。

マインドマップが記憶力を向上させるという研究結果は、10年以上前から世界中で報告があり、日本の研究レポートを検索するだけでも数多くの論文が見かけられます。

2. 情報を整理してやるべきタスクを可視化する

やるべき仕事の順番や不安要素、必要なスケジュールなどを整理する道具としてもマインドマップは有効的です。

例えば、「増築リフォーム」というプロジェクトに利用するときには

「引渡し」→「9月1日」、「大工」→「6月1日~8月15日」

など工程表代わりにもできます。

さらに「大工」→「施工主希望」→「シミ有りフローリング利用」や「不安」→「外壁」→「業者いない」→「○○宅とセット」→「■■社に打診」などの注意事項や不安点など、複数の資料に分ける内容でもひとつの資料ですべての要素を管理できます。

他にも別分野の仕事で忘れてはいけない内容を記入し、ひとつの表で今やるべきタスクをすべて確認できる便利なツールです。

3. プレゼンテーションの資料にする(他者の理解力向上)

プレゼンやレポートなど伝えたい相手がいるときの資料は、文章だけではなく、図形として視覚的に補助することで理解力が向上します。

さらに、相手に伝えるポイントはなるべく絞ったほうが、相手の記憶力も上がり複雑なテーマでもスムーズに進行できます。

マインドマップは、ひとつの図形に必要な要素がすべてキーワードとして凝縮されて詰まっています。まさに、プレゼンやレポートの参考資料に最適な道具です。

例えば、IT技術系のような専門用語が必要な会議でも、用語ごとにスライド資料を切り替えていては、プロジェクト全体のどの部分を説明しているのか見失ってしまいます。

プロジェクト全体が俯瞰できるマインドマップを常に表示しておけば、現在どの部分を解説しているのか、どのような目的として技術が必要なのか見失うことがなくなります。

4. ブレインストーミングのアイデアを関連付けできる

頭の中にあるアイデアを出し切るブレインストーミングは、出したアイデアに系統を付けて、キーワード同士を関連付けしながら、ひとつのマインドマップを作成します。

これは個人で利用するときももちろんですが、会議など複数人でブレインストーミングをするときにとても有効的です。

先にお伝えした会議やプレゼンにマインドマップを用意すれば、資料の説明という使い方以外にも、メンバーが提案したアイデアをひとつの表に次々追加して管理することが可能になります。

マインドマップはすべてのメンバーで提案に対する関連性を視覚的に理解できます。そのため、別のアイデアが生まれたり、より有意義なブレインストーミングを行ったりするのに必須といえるまとめツールです。

まずは使って効果を実感しよう!

マインドマップはひとつのテーマに関する理解力を深めるのに最適な思考方法です。具体的な利用例もこの記事で合わせて紹介しています。

マインドマップの提唱者は、以下の12のルールを厳密に定めています。

マインドマップ 12のルール
無地の用紙を使う ブランチは曲線で
用紙は横長で使う 強調する
用紙の中心から描く 関連づける
テーマはイメージで描く 独自のスタイルで
1ブランチ=1ワード 創造的に
ワードは単語で書く 楽しむ

しかし、実際にマインドマップを活用している方で、以上のルールを完璧に守っている方は少ない傾向にあります。

例えば、メインテーマはイメージ(文字ではなく絵を描く)が良い、ブランチは曲線を使うなど定められていますが、実際にはブランチ自体を書かずにキーワードだけを並べる使い方を好んでいる方もいます。

マインドマップはあくまで自分の能力を高めるためにありますので、ルールにこだわらず、まずは使ってみて、自分の都合に合っている使い方を見つけてください。

 

マインドマップを簡単に作れるツールはこちら

 

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