
組織が経営計画や事業目標を着実に達成していくためには、役割ごとに結成された各チームが着実に目標を達成していく必要があります。メンバーが同じ目標に向かって協力し、目標を達成できるチームを構築するための取り組みが「チームビルディング」です。
本記事では、チームビルディングの目的やプロセス、成功させるためのポイントをわかりやすく解説しています。チームビルディングに欠かせないコミュニケーションの促進に役立つツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
チームビルディングとは
チームビルディングとは、目標達成を実現できるチームを構築するための下地作りに当たる取り組みのことです。チームビルディングへの理解を深めるには、「チームワーク」との違いを押さえておく必要があります。
【チームビルディングとチームワークの関係】

チームワークとは、メンバーが共通の目的に向かって協力することを指します。それぞれ異なる強みや得意分野をもつ人材が集まっているチームでは、各自が能力を存分に発揮できる仕組みが確立されていなければなりません。強力なチームワークを引き出すには、その下地作りとしてチームビルディングが不可欠です。
チームビルディングの3つの目的

チームビルディングの主な目的として、「ビジョンの浸透」「マインドセットの形成」「人材配置の最適化」の3点が挙げられます。
ビジョンの浸透を図る
目指すべき未来像を表す「ビジョン」は、チームの存在意義そのものと言っても過言ではありません。所属するメンバーが同じ目的意識をもって協力し合っていくには、目指すべき方向性が明確に示され、共有されている必要があります。
チームとしての戦略や自身の役割を各自が正確に理解することによって、メンバーが自律的に動きやすくなります。
マインドセットを形成する
2つめの目的はマインドセットの形成です。異なる職種や部門のメンバーから形成されたチームにおいては、目標達成に向けて思い描いているプロセスにズレが生じかねません。ものの見方や考え方が共有されていることによって、チーム全体で目標達成を目指す手段や手順についても共通認識を形成しやすくなります。共通のマインドセットを形成しておくことで、各自の思い描くプロセスのズレを防ぎ、チームの一体感を生みます。
人材配置を最適化する
メンバーが状況に応じて協力し、お互いの強みを活かすためには、それぞれに適切な役割を与えることが求められます。そのためには、チーム構築の段階で、各メンバーの強みや得意分野を把握しておくことが重要です。
メンバーとのコミュニケーションを通じて適性や強みを理解することで、最適な人材配置につながります。
チームビルディングのプロセス

チームビルディングのプロセスは、チームの発展度合いに応じて5段階に分けられます。
【チームビルディングの5段階のプロセス】

・形成期:メンバーの能力や価値観、チームが目指す方向性を各自が把握できていない状態
・混乱期:異なる意見や価値観の衝突・対立が生じている状態
・統一期:各自の役割やメンバーの能力が認識され始め、結束力が強まりつつある状態
・機能期:メンバー間の相互理解が深まり、チームとして成果を上げられる状態
・散会期:チームの成果や各自のスキルアップが実感でき、満足感を得られている状態
一般的にチームは上記のプロセスを経て形成されていくことを念頭に置き、チームビルディングに取り組むことが大切です。たとえば、チーム発足後にメンバー同士の対立が生じた際には、混乱期から統一期に向かう上で必要な期間と捉え、相互理解を深める対話の場を設けるといった工夫が求められるでしょう。
チームビルディングを成功させるポイント

チームビルディングを成功へと導くには、どのような点に留意すればよいのでしょうか。意識しておきたい4つのポイントを紹介します。
ビジョンを可視化して明確にする
チームのゴールイメージにずれが生じないよう、ビジョンは目に見える形で示すことが大切です。口頭で伝えたつもりでも、実際には各メンバーの捉え方や解釈が異なっている可能性があります。
特にチームの形成期や混乱期に発生しやすい事象です。
ゴール地点の認識がメンバーごとに異なっていれば、チームは瓦解してしまいます。チームが目指すべき地点を可視化して提示し、共有しておく必要があるでしょう。
コミュニケーションの円滑化を図る
チームリーダーとメンバー、およびメンバー間のコミュニケーションを円滑化するための取り組みが求められます。活発なコミュニケーションを通じて各自の強みを相互に理解でき、それぞれが強みを発揮しやすくなり、結果としてチーム全体でより良い成果を得られやすくなるからです。チームメンバーの関係構築やビジョンの理解を促進するためにも、混乱期から統一期へと移行していくフェーズにおいてはコミュニケーションの頻度や深さを常に注視していく必要があります。
メンバー間の相互理解を深める
メンバーがお互いのスキルや価値観を認め合い、敬い合えるチームを形成するには、メンバー間の相互理解が欠かせません。相互理解があれば、各自が強みを発揮することも、弱点を補い合うこともできます。統一期から機能期へとチームが成熟していくフェーズにおいては、特に重視したいポイントといえるでしょう。
メンバー各自の役割を明示する
メンバーが何をどこまで実行すべきかを明確に示しましょう。人材配置が十分に考えられていたとしても、メンバーが自身の果たす役割や責任の範囲を取り違えていれば、行動や取り組みに過不足が生じかねません。タスクの漏れや重複を防ぐためにも各自の役割を可視化して示し、理解を促すことが重要です。
機能期に各メンバーが自らの役割を明確に理解し、散会期に達成感を得るためにも重要なポイントといえます。
コミュニケーション促進に役立つテンプレート8選
良いチームを形成するには前章で挙げた4つのポイントのように、チームのビジョンやチームメンバーの考え、強みなどをわかりやすく伝え、相互に理解する必要があります。思考を可視化し、コミュニケーションを促進させるには、ツールを効果的に活用してビジョンの浸透や相互理解の促進を図るのが得策です。コミュニケーション促進に役立つ8種類のテンプレートを見ていきましょう。
デイリースタンドアップ:短時間でも実りあるコミュニケーションにおすすめ

着座しない状態で行われるスタンドアップミーティングに活用できるテンプレートです。各メンバーが先週・今週のタスクと、今後の進捗に影響を与え得る懸念事項をブロックごとに記載することで、現時点での進捗状況を可視化できます。短時間で素早く問題を特定し、次のアクションにつなげたい場合におすすめです。
デイリースタンドアップミーティング:役割の再確認と進捗管理におすすめ

メンバーごとに「前日にやったこと」「今日やること」「障害になりそうなこと」を挙げてもらい、チームで共有するためのテンプレートです。各自が役割を確実に果たしているか、進捗を阻む懸念事項や障害が発生していないか、といった点を一覧で確認できます。日々のスタンドアップミーティングに取り入れることで、役割の再確認と進捗管理に役立つでしょう。
リーンコーヒー:チームメンバーの課題共有におすすめ

議題や進行役を決めることなく、簡易的なミーティングを実施したい場合に活用できるテンプレートです。メンバーがトピックを出し合い、「これから」「議論中」「終了」に分類することで、各自の課題共有や優先すべき事項の確認をスムーズに進めやすくなります。新たなチームメンバーが加わった際に、課題を共有したい場合にも活用できるでしょう。
会議のアイスブレイク:発言しやすい雰囲気づくりにおすすめ

会議冒頭のアイスブレイクに活用できるテンプレートです。リモートチームのつながりを深めたり、新しいメンバーを紹介したりする際などに、対話を始めやすい雰囲気づくりに役立ちます。特にチーム形成期には、メンバー間の緊張や遠慮を和らげることが重要です。テンプレートを活用して、効果的なアイスブレイクを実践してみてはいかがでしょうか。
会議へのチェックイン:会議において重要な情報の把握におすすめ

チームの進捗や達成状況、課題、疑問点、アクション項目といった、会議において重要な情報を効率良く把握するためのテンプレートです。メンバーそれぞれの役割の確認や、コミュニケーションの円滑化を図りたい場合に役立ちます。チームの定期的なミーティングや、関係者との情報共有に最適です。
絵文字投票:メンバーの意見を反映した意思決定におすすめ

絵文字を使用した投票テンプレートです。メンバー全員の意見を反映して意思決定を行いたい場合に適しています。さまざまな選択肢の中から決定事項を絞り込みたい時や、アクションのリストに優先順位をつけたい時に便利です。メンバーの意思や考えを尊重したコミュニケーションを実現したい場合に適しています。
付箋投票:詳細な意見を反映した意思決定におすすめ

付箋形式のオブジェクトを活用した投票テンプレートです。付箋にメンバーの考えや意見を記述できるため、全員の詳細な意見を考慮して意思決定を行いたいシーンで役立ちます。シンプルな多数決にとどまらず、少数意見も尊重して意思決定をしたい場合や、メンバーが投票した理由も含めて検討したい場合におすすめです。
親和図(Affinity Diagram):アイデアの整理と実行に向けた役割分担におすすめ




さまざまなアイデアを収集して整理し、アイデア間のつながりを見つけるためのテンプレートです。トピックを決める→アイデアを集める→近いアイデアをグルーピング→担当チームを作る→次のステップを決める、と段階を踏んで話し合っていくことで、ブレインストーミングや問題解決を円滑に進められます。新たなチームの発足やチーム内の役割分担を行いたい場合におすすめです。
円滑なコミュニケーションがチームビルディングの鍵
着実に目標を達成するチームを目指すには、チームワークの充実が不可欠です。チームワークを存分に発揮するには、その土台となるチームビルディングに注力する必要があるでしょう。ビジョンの浸透・マインドセット形成・最適な人材配置はいずれもチームビルディングを支える重要な要素です。すべての要素に共通するのは円滑なコミュニケーションであることを念頭に置いて、チームビルディングに取り組むことが求められています。
チームのコミュニケーション活性化を図りたい方には、オンラインホワイトボードツール「Cacoo(カクー)」の活用をおすすめします。今回紹介した8つのテンプレートを含む、180種類以上の豊富なテンプレートをご活用いただけるツールです。Cacooを活用して、チームのビジョンやチームメンバーの考えを可視化し、わかりやすい形で共有してみてはいかがでしょうか。