
事業成長に向けた戦略には、大きく分けて「既存製品の市場や展開パターンを増やす方法」と「新規製品で新たな収益を確保する方法」の2種類があります。パーソル総合研究所の調査によれば、新規事業開発に成功していると回答した企業は30.6%にのぼり、このうち40.1%の企業が「将来、自社の主力事業になりそうな有望な事業が生まれている」と回答しているのが実情です※。新規事業の立ち上げを加速する新企画の考案は、事業成長に欠かせない要素となりつつあるといえるでしょう。
本記事では、新規事業につながる企画を考えるポイントや、求められるアイデアの条件についてわかりやすく解説しています。アイデア出しに行き詰まったときの対処法や、効果的なツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
※パーソル総合研究所|企業の新規事業開発における組織・人材要因に関する調査(2022年)
目次
新規事業につながる企画を考えるポイント

新規事業につながる企画を考えるにあたって、まずはアイデアを出すことが必要です。次に挙げる3つのポイントを押さえて考えてみましょう。
既存事業の枠を取り払う
既存事業の枠を取り払った状態で、考えを膨らませましょう。アイデアを考える時、ついつい現在取り組んでいる事業の範囲内で「何ができるのか」を考えてしまいがちです。アイデア出しの時点で発想に制約を設けないように心がけましょう。
意外な組み合わせに着目する
すでにある要素を組み合わせることで、新たなアイデアが生まれることもあります。たとえば「こすると消えるボールペン」というヒット商品は、「消えないはずのインク」と「消しゴム」の組み合わせから生まれました。多くの情報をもとに組み合わせを考えることで「ひらめき」が生まれやすくなります。

ターゲットを大胆に見直す
ターゲットとする顧客層を大胆に転換してみるのも1つの方法です。「既存製品(化粧品)を新規顧客(男性)向けに提供したらどうか?」という発想がメンズ化粧品を生み出したように、顧客層の転換は自社の知見や強みを活かした新たな事業展開が見えてくることがあります。

新規事業の立ち上げに寄与するアイデアとは
新規事業の立ち上げに寄与するアイデアは、「組織への貢献につながるかどうか」を軸に考えることが重要です。次に挙げる3つの要素を意識しつつ、ブレインストーミングを通じて出されたアイデアの中から「組織に貢献するアイデア」を選んでいくとよいでしょう。

新奇性・独自性がある
1つめの要素は「新奇性・独自性」です。既存の市場にはない新たな発想や、既存製品やその延長では提供しきれていなかった価値に該当するかどうか、といった視点でアイデアをチェックしてみましょう。従来はカバーできていなかった潜在的なニーズが見つかれば、新規事業の立ち上げにつながる有望なアイデアになり得るからです。
顧客の課題解決に寄与する
顧客の課題解決に寄与するアイデアであれば、新規事業になる可能性は高いです。重要なのは、既存事業の改善や商品・サービスの拡張では解決できない顧客の悩みや困りごとが解決されるアイデアかどうかということです。企業側の独りよがりにならないよう、アイデアの先にある顧客の姿をイメージしましょう。
収益性が見込める
そのアイデアによって収益性が見込める場合も新規事業として有望です。まとまった規模の先行投資が必要な事業であっても、中長期的な利益が見込めるのであれば、将来的に採算がとれる可能性は十分にあるでしょう。注意が必要なのは、どの企業も参入していない「空白の市場」の場合です。あまりにもニッチだったり、市場規模が小さすぎたりするので期待する収益規模を得られない可能性があります。
アイデア出しに行き詰まったときの対処法

新規事業につながる企画は、決して容易に立案できるものではありません。有意義なアイデアを生み出すには、現状を適切に整理して可視化し、「企画の種」を見つけることが重要です。とはいえアイデア出しに行き詰まることは多いのではないでしょうか。行き詰まったときの具体的な対処法を見ていきましょう。
自社の強み・弱みを整理する
まずは自社の強みと弱みを整理しましょう。現状発揮できている強みを活用できる別の分野はないか、弱みの補強につながる売り方はないか、といったふうに考えるとアイデアの糸口が見いだしやすいです。とくに業界の動向や市場が変化しつつあるタイミングでは、現状の強み・弱みを解釈し直すことによって、チャンスを見いだせる可能性があります。
成功事例からヒントを得る
他社の成功事例からヒントを得るのも有効な方法です。同業他社だけでなく、異業種の成功事例も含めてチームで共有し、知見を蓄積していくことをおすすめします。各社が「既存製品の市場や展開パターンを増やす」「新規製品で新たな収益を確保する」のいずれの戦略をとっているのか、既存事業とのシナジーがどのように発揮されているのか、といった視点で分析を進めるとよいでしょう。
視点を変えてみる
既存の視点をあえてずらしてみるのもおすすめの方法です。ターゲットとするエリアや業界を変えることによって、新たな価値が生まれる可能性があります。
たとえば職人向けの作業着を扱っていた衣類メーカーが、日常生活やアウトドアでの用途を想定した機能性ウェアを発売し、大ヒット商品となったのはこの典型例です。「意外なところにニーズがあるのでは?」という視点に立って、自由な発想でアイデアを出し合ってみてはいかがでしょうか。
新企画のアイデア出しに役立つテンプレート9選
チームのもっている知識や考えの棚卸しから始めてみるとアイデアを生み出しやすくなります。次にご紹介するテンプレートを活用して、新企画につながるアイデア出しをしてみてはいかがでしょうか。
6つの帽子の思考法:多角的な視点でブレインストーミングを行いたい場合におすすめ
アイデア出しのためのブレインストーミングに活用できるテンプレートです。事実・直感・批判・肯定・創造・計画の6つの視点から意見を出し合い、アイデアをブラッシュアップする過程をサポートします。さまざまな角度からブレインストーミングを行い、多彩なアイデアを生み出したい場合におすすめです。
SWOT分析:社内/社外の現状を整理しておきたい場合におすすめ
自社の状況や競争環境を評価するためのテンプレートです。強み・弱み・機会・脅威の4項目に分けて現状を整理することで、企画の種となるアイデア出しの土台づくりに役立ちます。アイデア出しのヒントとなる自社の強みや参入可能な市場を分析し、整理された状態で共有したい場合におすすめです。
SWOTテンプレート:企画提案を見据えた資料準備におすすめ
SWOT分析を視覚的にわかりやすくまとめられるテンプレートです。チームで現状分析を行う際の分析ツールとして利用するほか、PPTへのエクスポート機能もあるのでプレゼンテーションを実施する際の資料としても活用できるでしょう。企画立案後の提案まで見据えて資料を整えておきたい場合におすすめです。
インパクト・エフォートマトリクス:アイデアの実現性を検証したい場合におすすめ
アイデアを実現するために必要な労力と、実現した場合にもたらされる影響を検証するためのテンプレートです。複数のアイデアに優先順位をつけたり、現状のリソースで対応可能なアイデアかどうかを話し合ったりしたい場合に適しています。アイデアを企画にまとめ上げていく際の検証用ツールとしておすすめです。
ディズニーのクリエイティブ戦略:アイデアと現実のギャップを埋めたい場合におすすめ
アイデアを3つの異なる立場から検証し、現実とのギャップを埋めるヒントを得るためのテンプレートです。夢想家・現実主義者・批評家の視点に立ってチームで話し合い、意見を出し合うことにより、やりたいこと・実際にできること・乗り越えるべき課題が浮き彫りになっていきます。アイデアを実現性のある企画につなげたい場合におすすめです。
バブルマインドマップ:アイデアを広げたり深めたりしたい場合におすすめ
中心となるトピックを小さなトピックに分けて分析するためのテンプレートです。中心のトピックは1つのみのため、特定の課題やニーズ、ターゲットなどを想定したアイデアを広げたり深めたりしたい場合に適しています。アイデア出しに行き詰まった際に、既存のアイデアから派生した新たな発想や着眼点を得るためのツールとしても効果的です。
バブルマップ:アイデアを構造化して把握したい場合におすすめ
特定のトピックに関連するアイデアを構造化して可視化するためのテンプレートです。アイデアごとに色分けして区別できるため、関連するアイデア間の共通点や類似点を見いだしたい場合に適しています。また、現状のアイデアから派生して、さらに新たな発想を生み出すためのブレインストーミングにも効果的です。
ブレインストーミングマップ:アイデアやひらめきを構造化したい場合におすすめ
ブレインストーミングで得られたアイデアを視覚的に整理するためのテンプレートです。1つのカテゴリーから始まり、徐々に小さなサブカテゴリーに分岐していくため、アイデアやひらめきの粒度ごとにわかりやすく分類できます。多くのアイデアが出される活発なブレインストーミングであればあるほど、アイデアの整理に役立つツールとなるでしょう。
メリット・デメリットテンプレート:アイデアの長所・短所を整理したい場合におすすめ
アイデアごとのメリット・デメリットを整理する際に役立つシンプルなテンプレートです。各チームメンバーから想定されるメリット・デメリットを挙げてもらい、付箋に記載して貼っていくことで比較検討を進めやすくなります。見落としていたリスクやメリットに気づくことで、より良い意思決定につなげられるでしょう。アイデアの長所・短所を踏まえたバランスの取れた企画立案につなげたい場合に適しています。
新規事業につながるユニークなアイデアを生み出そう
新奇性・独自性に富み、顧客の課題解決に寄与しつつ収益性が見込める新規事業を企画立案するには、段階を踏んでアイデアを形にしていく必要があります。ひらめきやアイデアをできるだけ多く募り、整理して共有するプロセスを経ることが、結果として有望な新規事業の創出へとつながるでしょう。
活発なブレインストーミングやアイデアの整理・可視化を実現したい事業者様には、オンラインホワイトボードツール「Cacoo(カクー)」の活用をおすすめします。本記事で挙げた9つのテンプレートを含む180種類以上の豊富なテンプレートをご活用いただけるツールです。ユニークなアイデアを新規事業の企画へとつなげ、事業拡大に向けた第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。








