生産性向上とは?具体的な取り組み方やメリット、業務効率化との違いを解説


日本の総人口が2008年をピークに減少へと転じたことに伴い、労働力人口の減少が加速しつつあります。2020年には6,400万人あまりだった労働力人口は、2065年までに4,000万人を割り込むという試算(※)が公表されています。

こうした背景から、あらゆる業種において生産性向上が急務となっています。

生産性向上のための施策に取り組みたいと考えている事業者の方は多いのではないでしょうか。一方で、具体的にどのようにして生産性を向上させればよいのか迷っている方も少なくないはずです。

今回は生産性向上の具体的な取り組み方やメリットについて解説します。生産性向上と混同されやすい業務効率化との違いについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

※みずほ総合研究所「少子高齢化で労働力人口は4割減」2017年5月
https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/mhri/research/pdf/insight/pl170531.pdf

生産性向上とは

はじめに、生産性向上とは具体的に何を指しているのか明確にしておきましょう。何を向上させることで生産性が向上したといえるのか、業務効率化との違いとあわせて解説していきます。

具体的に何を向上させる?

生産性向上とは、経営資源に対する成果や付加価値を高めることを指します。

たとえば、同じ従業員数・労務時間で生み出される製品数が100から150へと増えれば、生産性向上に成功したといえるでしょう。このように、生産性向上とは「より少ない経営資源で大きな成果を生み出すこと」を表しているのです。

なぜ生産性向上が求められているのか?

私たちは今、労働力人口の減少というかつてない事態に遭遇しています。働き手が少なくなっていくことが見込まれる中、いかに少人数で高い生産性を維持するかが問われているのです。

また、昨今では他の先進諸国と比べて日本の生産性が低いことが指摘されています。国際競争力の低下に歯止めをかける意味でも、生産性向上は急務といえるでしょう。

業務効率化との違いとは?

業務効率化とは、業務の無駄をできるだけ排除してコスト削減を実現することを指します。業務効率化は生産性向上を図るための手段の一つであり、生産性向上に向けた施策の一部です。

たとえば、従業員各自が考えていることや思い描いているアイデアを可視化・共有化することによって、より短時間で効率よく業務を進めることにつながります。従業員がお互いの思考を同期し、目指すべき方向性を合わせることで結果的に業務効率化が達成できる場合もあるのです。

生産性向上を実現するには業務効率化も必要ですが、取り組むべき施策は業務効率化以外にもあると考えてください。

生産性向上によって得られる3つの主なメリット

生産性を向上させると、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットとして、次の3点が挙げられます。

コスト削減につながる

生産性が向上すると、より短時間で高い成果を生み出せるようになります。労働時間が短縮し、残業手当を抑制する効果が期待できるのです。

また、事業所が稼働する時間を短縮することで光熱費を抑えることもできるでしょう。このように、生産性向上は人件費や光熱費といったコストの削減につながります。

労働環境の改善・従業員満足度の向上につながる

より少ない労力で高い成果があげられるようになれば、従業員各自の担当業務が成果につながっていると実感しやすくなります。自身の仕事が役立っているという実感が湧けば、従業員満足度の向上にもつながるでしょう。

従業員がクラウドツールなどを活用して各自の考えや意見を発信したり、議論をしたりできる機会を設けることで「自分の意見が取り入れられた」と実感しやすくなります。生産性向上を図ることによって、労働環境の改善や従業員満足度の向上を実現できるのです。

顧客満足度の向上・競合優位性の獲得につながる

生産性向上を図ることで業務の質が向上し、顧客満足度の向上へとつなげることができます。また、企業としての競争力が増強され、競合優位性を獲得することにもつながるはずです。

たとえば、目指すべきブランド像が一目でわかるよう図示することで、言葉で伝えるよりも効果的にチームの結束を強化することができます。視覚的にわかりやすい図を用いて意思統一を図ることは、ブランド力の向上において重要なポイントの一つです。

このように、生産性向上は、企業としての総合的なブランド力の向上を実現するために必要な施策といえるでしょう。

生産性向上のために必要な5つの施策

数多くのメリットを得られる生産性向上ですが、具体的に何から手を付けるべきか迷っている事業者の方も少なくないでしょう。生産性向上のために必要な取り組みとして、五つの施策を紹介します。

現状の業務を見える化する

はじめに現状の業務を洗い出し、可視化していく必要があります。既存業務を洗い出すには、量的要素と質的要素の両面から分析していくことが大切です。

下表を参考に、既存業務をくまなく書き出していきましょう。

コア業務とノンコア業務をグループ分けする

書き出した業務を、コア業務とノンコア業務にグループ分けしていきます。コア業務の中でも、とくに注力するべき業務と現状維持でよい業務を選別しておきます。また、ノンコア業務のうち取りやめても差し支えのない業務が紛れていないか検討し、取捨選択を行いましょう。

人員配置を再検討する

グループ分けした各業務に、現状の担当者を書き入れていきます。現在の人員配置を一覧化した上で、適材適所が実現できているか、偏りが生じていないかをチェックしていくのです。現状の業務にかかっている負担や時間、業務の性質などを鑑みた結果、社内のリソースで解決が難しければアウトソーシングの活用も含めて検討する必要があります。

従業員のスキルアップ・モチベーションアップを図る

個々の従業員のスキルアップを図ることも大切です。研修や資格取得などを通じて、一人ひとりの処理能力を高めていくことが組織全体の生産性向上へとつながります。また、業務の目的や目指すべき到達点を再度共有し、モチベーションアップを図ることも有効です。仕組みの面を整えることも大切ですが、従業員のスキルやモチベーションが生産性向上に大きく寄与することを忘れないようにしましょう。

ツールを導入する

インプットに対するアウトプットの質・量を最大化するには、ツールを活用するのも有効な方法といえます。従来の仕組みの中では、従業員の意見やアイデアが十分に反映されておらず、優れた知見が埋もれていた可能性があるからです。

こうした知見を可視化し、お互いの思考を同期させるためのツールを導入することで、生産性向上を実現できる確率を高めることができるでしょう。思考やアイデアを可視化する上で最適なツールとして、次章で紹介するクラウドツール「Cacoo」を活用してみてはいかがでしょうか。

生産性向上に役立つツール「Cacoo」とは?


Cacooはメンバーの頭の中にある思考やアイデアを図で共有できる「オンライン作図ツール」です。リアルタイムで共同作業ができ、チームでのコラボレーションを促進します。

メンバー各自が自由にコメントを書き込んだり、フィードバックを送り合ったりできるため、従来は意見を持ち寄ることしかできなかったミーティングをオンライン上でより柔軟かつ効率的に進めることができるのです。

豊富なテンプレートで図を直感的に作成

Cacooには豊富なテンプレートが用意されており、見やすい図を素早く直感的に作成することができます。フローチャートやプレゼンテーション、プロジェクト計画図、ワイヤーフレームといった各種テンプレートを呼び出すだけで、チームでの共同作業を効率よく進められるのです。視覚的にわかりやすい図を使ってアイデアを共有することにより、生産性向上をより確実に実現できるでしょう。

リアルタイムで会話ができるチャットやビデオ通話機能

Cacooにはリアルタイムで会話が可能なチャットやビデオ通話機能が備わっています。会議室のプロジェクターを利用してアイデアを共有するほか、テレワーク環境のように離れた場所にいる相手とも双方向のやりとりを通じてアイデアを共有可能です。作成した図はプロジェクトやチームごとにフォルダ分けして共有・保存できるため、改めて議事録を作成することなく話し合いの記録を残しておくことができます。

アイデアを可視化して生産性向上を図ろう

労働力人口が減少の一途を辿っていく中、生産性向上は業種を問わずあらゆる企業にとって喫緊の課題といえます。今回解説してきたポイントを参考に、ぜひ自社で取り組むべき生産性向上の施策を話し合ってみてください。

生産性向上に取り組むにあたって、既存業務や各従業員の思考を可視化するプロセスが欠かせません。アイデアを可視化するためのツールとして、Cacooの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

チームのアイデアを、いつでもどこからでも視覚的に共有しよう