ネットワーク構成図ガイド

ネットワーク構成図ガイドへようこそ!

多くのサーバーやルーター、そしてファイアウォールから構成される複雑なネットワークを設定する前に、ネットワーク構成図を作成してあなたの設計内容を可視化しましょう。

ネットワークアーキテクチャを視覚的に表示することで、一つひとつの機器や構成要素を確認して、システム全体を適切につなげることができます。万一、ネットワーク上で問題が発生した場合は、図を参考にすることで問題を早急に解決できます。

本チュートリアルガイドでは、ネットワーク構成図の利点を最大限に生かした作成方法を学ぶことができます。

このチュートリアルガイドは以下に当てはまる方におすすめです。

  • ネットワークの可視化に興味がある
  • ネットワークエンジニアや設計者で、作図について学びたい
  • ネットワーク構成図の基礎を磨きたい

さっそく以下の3つのカテゴリを選択して、ネットワーク構成図の学習を始めましょう!

ネットワーク構成図の概要

ネットワーク構成図とは?

ネットワーク構成図はコンピュータネットワークや電気通信ネットワークを視覚的に説明するために使用されます。ネットワークの様々な構成要素とそれらの相互関係を示しています。

1つのアプリケーションのネットワークのように単純なものから、企業全体のネットワークなどの複雑なものまで、さまざまなネットワーク構成図が存在します。具体的には、ホームネットワーク、ワイヤレスネットワーク、LANネットワーク、作業ネットワークなどが該当します。

ネットワーク構成図は、物理論理の2種類に大別されます。

物理構成図は、間取り図のようにネットワークを構成する機器の物理的レイアウトを示します。これにはケーブルやハードウェアが含まれます。

論理構成図は、ネットワーク上の情報の流れや機器の相互通信関係を示します。これにはサブネット、ネットワークデバイス、ルーティングプロトコルが含まれます。

ネットワーク構成図の利用

ネットワーク構成図を利用することで、大規模なプロジェクトやタスクを論理的にサブタスクへ分割したり、プロジェクトの分析をしたりできます。

ネットワーク構成図は以下の目的で利用できます。

  • ホームネットワークやオフィスネットワークの構造設計
  • プロジェクトにおける完了すべきタスクの優先順位づけ
  • 既存ネットワークの更新
  • ネットワークのバグやエラーの問題解決
  • 規定された要件への適合
  • 内外のコミュニケーション、新人研修、プランニング等の資料
  • ネットワークの構成要素や機器の管理
  • プロジェクト実施の手順説明
  • 顧客へのネットワーク変更の提案

他にも使用目的は多岐にわたります。

ネットワーク構成(トポロジー)の種類

ネットワーク構成図にはいくつかの基本的な構成があります。これらの構成(トポロジーとも呼ばれます)は、ネットワークの物理的または論理的な面のどちらかを表します。

あるネットワークの物理構成図と論理構成図は似ていることもありますが、異なることもあります。たとえば、ツイストペアイーサネットのように物理的にはスター型のネットワークが、論理的にはバス型をとることがあります。

各タイプの構成にはそれぞれ利点と欠点があり、状況に適したタイプを選ぶことが重要です。構成タイプの選択があなたのネットワークの動作と安定性に影響します。

バス型

バス型は、別名バックボーン型、リニア型、イーサネット型とも呼ばれています。

すべてのネットワーク機器(以下、ノード)を一筆書きできるような構成の接続形態です。1本の中央ケーブルに複数のノードがつながっています。これらのノードは、ノード側のエンドポイントと中央のケーブル側のエンドポイントの2つで接続されています。

バス型の構成は比較的単純に構成できます。しかし、中央バスが故障すると、ネットワーク全体が影響を受けてしまい、全体的に通信できなくなってしまうこともあります。

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リング型

リング型はその名の通り環状に接続されたノードで構成されています。情報は目的地までリングを通って送信されます。

バス型と同様、1つのノードに障害が発生するとネットワーク全体に支障をきたします。帯域幅はすべての機器や接続点で共有されますが、バス型ネットワークより優れた動作を発揮できます。またトポロジーのなかでも、ネットワーク機器を追加したり削除したりといった再構成がもっともしやすいです。

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スター型

スター型はよく使われる構成です。すべてのノードは1つの中央ハブまたはスイッチに接続し、すべての情報がそこを通過します。

この構成は、中央ハブに接続されている各線は独立しているため、個々のノードが障害を起こしても全体には影響しません。また、障害が発生した際は個々のノードを修復することで解決できます。

このような面で、スター型はバス型やリング型よりも高い信頼性を保持できる一方で、中央ハブに障害が発生するとネットワーク全体が停止します。さらにケーブルコストが高くなる傾向があります。

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メッシュ型

メッシュ型にはフルメッシュ型とパーシャルメッシュ型の2種類があります。フルメッシュ型では、各ノードは少なくとも他の1つのノードに直接接続されています。パーシャルメッシュ型では、最も相互利用するノード同士が接続されます。

メッシュ型のノードはネットワークのデータを中継して接続されます。

ツリー型

ツリー型は、バス型とスター型を組み合わせたものです。1つの根から枝分かれする様にネットワークが伸びています。実際のネットワークのほとんどが、バス型とスター型などのように、複数の構成を組み合わせたハイブリッド型です。

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ネットワーク構成図の作成

ネットワーク構成図の図記号

ネットワーク構成図は実際のシステムを視覚的に表現したものです。物理的な要素を表す図記号と要素間の関係性を表す線の両方で形成されています。

本ページでは、一般的な図記号をご紹介します。

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AWSアイコンとGCPアイコン

アマゾンウェブサービス(AWS) とGoogleクラウドプラットフォーム(GCP) は、クラウドホスティングサービスの主要プロバイダです。それぞれ独自のアイコンを使ってホスティングしているネットワークを表記しています。

Cacoo-Network-Diagrams7Cacooで利用できるAWSアイコンの例

Cacoo-Network-Diagrams11Cacooで利用できるGCPアイコンの例

CacooではこれらのAWSとGCPアイコンを豊富に用意しており、無料でお使いいただけます。

アイコンは以下のリンクからもダウンロードできます。

ネットワーク構成図の用語

ここでは図形同士の相互関係を示すためによく使われる用語を解説します。

操作を表す作業(アクティビティ)は、進行方向を示す矢印で表されます。

作業には主に4つのタイプがあります:

  • 先行作業: 後に続く作業が始まる前に完了させる作業
  • 後続作業: 前の作業が終わるまで開始できない後続の作業
  • 同時進行作業: 複数の作業が同時に始まること
  • ダミー作業: 実体はなく、依存関係のみを表す作業

作業の開始や終了は丸印(ノード)で表され、イベントと呼ばれます。

イベントには主に3タイプあります。

  • 合流点(マージイベント): 1つ以上の作業がイベントに合流するときに発生
  • 分岐点(バーストイベント): 1つ以上の作業がイベントから分岐するときに発生
  • 合流分岐点(マージ&バーストイベント): 1つ以上の作業が同時に合流・分岐するときに発生

シークエンスとは、情報が送信されるときに一連の機器や作業がどのように動作するかを指します。どの作業が先行、後続、または同時進行するか、開始と終了を何によって制御するかを決定する際に使われます。

ネットワーク構成図の例

ネットワーク構成図は、表示するネットワークの種類やネットワークの構成(トポロジー)によって使い分ける必要があります。

ネットワーク構成図はどのようなネットワークにでも対応できるようにさまざまな種類があります。以下で紹介する図はほんの数例です。

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ネットワーク構成図の作成手順

図記号を選んで配置する前に、作成する図の目標を明確にしましょう。

次に、その目標を達成するために必要なものを考えます。構成図を作成する際の留意点として、小さなスペースに情報を詰め込みすぎないようにすることを常に意識しましょう。複雑になりそうな場合はひとつの図のまとめるのではなく、複数の図に分けましょう。

ここまで準備ができたらCacooアカウントにログインしてエディターを開き、実際にネットワーク構成図を作ってみましょう。Cacooアカウントをお持ちでない場合は、こちらから無料トライアルを開始できます。

準備ができたら、以下の手順で作図してみましょう。

  1. テンプレート又は空白のシートを選択
    Cacooエディタを開くとテンプレートライブラリが自動的に表示されます。 [ネットワーク] から最適なテンプレートを選択するか、空白のシートを選んで一から作成しましょう。
  1. 必要な機器をすべて追加
    テンプレートと空白のシートのどちらを選んだ場合でも、まずはネットワークを構成するのに必要な要素をすべてキャンバスにそろえます。同一の要素が複数必要な場合は複製(Command / Ctrl + D)を使いましょう。新しい図形(ステンシル)を追加するには、ステンシルライブラリから使いたいステンシルをキャンバスにドラッグ&ドロップします。この段階では、まだ接続については考えず、ネットワークを構成する機器、サーバー、ルーター、ファイアウォール、その他の構成要素をそろえましょう。
  1. 図形を並べる
    あなたの目的とネットワーク構成図の種類にあわせてステンシルを動かしてみましょう。ステンシルをクリックすると表示されるガイド線を使ってオブジェクトを整列させます。構成図の種類については「ネットワークの構成(トポロジー)タイプ」を参照してください。
  1. 構成要素にラベルを付ける
    テキストボックスを使用して、名前、IPアドレス、デバイスタイプなどの追加情報を入力しましょう。または、構成要素に番号を付けて、追加情報を別途管理しましょう。
  1. 接続を追加
    要素を結ぶ線を使って、情報の流れによって要素がどのように接続されるかを示しましょう。最初にテンプレートを選択した場合は既存の線を移動するだけです。新しく線を追加する場合は、エディター上部のメニューから [線を追加] のアイコンを選択します。矢印を使ってイベントを合流点、分岐点、合流分岐点に区別しましょう。これらの用語については「ネットワーク構成図の図記号」を参照してください。最後にインスペクタで線のスタイルを調整します。
  1. 書式を整える
    レイアウトが完成したら、各要素の配置、サイズ、色などを最終調整しましょう。
  1. 図を保存して共有する
    エディタ上部の [図の保存] ボタンを選択し、図に名前を付けて保存します。 PDFやSVGへのエクスポートソーシャルメディア(Twitter、Google+、Facebook)での共有、リンクによる共有など、図の共有オプションは [エクスポート] ボタンと [図の設定] ボタンから選択します。さらに、Webサイトに図を埋め込むこともできます

ネットワーク構成図をテンプレート化しよう

Cacooを使えばネットワーク構成図を一から簡単に作ることもできますが、テンプレートを利用することで作業時間をさらに短縮できます。

Cacooはネットワーク構成図のテンプレートを各種用意しています。エディターを開いてテンプレートを選択し、自由にカスタマイズしましょう。

繰り返し利用できそうな図形や記号はテンプレートに保存して再利用できます。テンプレート機能を上手に活用して完成度の高い構成図を効率良く作成しましょう。

高度なヒントとテクニック

ネットワーク構成図のベストプラクティス

より質の高いネットワーク構成図を作る際のヒントを以下でお届けします。

記号やアイコンは一般的なものを使う

他の技術的な図と同様、ネットワーク構成図にも標準で利用されている図記号やアイコンがあります。Cacooで利用できる図記号は標準なものが多いため、円滑なコミュニケーションができます。また、こうした図記号を活用することで、よりクリエイティブな図を作成することも可能ですが、過度に装飾された図は見づらく、デメリットの方が大きくなってしまうので要注意です。

線を交差させない

図中で線が交差していると情報の流れがつかみ難くなります。線が交差しないよう、図に十分なスペースを確保してください。

オブジェクトを整列させる

Cacooの背景オプションであるグリッド線の表示をすることで、オブジェクトをグリッド線に合わせながら移動できます。要素や図記号の位置を揃えることで図に一貫性が保たれます。

接続する線のタイプごとに色分けする

接続する線のタイプごとに色分けをすることで、どの線がどの図記号とつながっているのかを一目で理解できます。

線は常に左から右へ流れるようにする

構成図の流れを明確にするために、図記号や線は左から右の一方向に流れるようにします。

開始点・終了点は1つに限定する

開始点と終了点が複数ある場合は図を分けることをおすすめします。各構成図の開始点・終了点はなるべく1つに限定して一目でわかるようにしておきましょう。

ネットワーク構成図作成にCacooを選ぶ理由

誰にでも見やすく、理解しやすいネットワーク構成図を作成するには、自分の利用目的や環境にあった、使いやすいツールを選択することが重要です。そのためには、機能の多さを判断基準にするのではなく、自分たちが必要な機能が備わっているか、また目的にあった使い方ができそうかを検討することが大切です。

ネットワーク構成図初心者でも、簡単に操作ができるCacooは、オンラインで使える作図共有ツールです。オンラインであれば、いつでも、どこからでも図を作成できるだけでなく、リアルタイムでチームメンバーとネットワーク構成図を共同編集したり、大切なステークホルダーへリンク1つで図を共有できたりします。クラウド型ツールなので、ソフトウェアのインストールやダウンロードは必要ありません。

数分もあればネットワーク構成図を作成できるテンプレート機能も豊富です。さらに、フローチャート、マインドマップ、サイトマップ、UML図、ワイヤフレームなど、さまざまな図も作成できます。

組織での利用にも対応しています。「チームプラン」では、図をプロジェクトごとのフォルダで管理できたり、組織内の特定のグループに図を共有したり、図にコメントして簡単にフィードバックを受け取ることが可能です。

他にも以下のようなこともできます。

  • 図の書き出しに対応(PNG、PDF、PPT、PostScript、SVGなど)
  • 変更履歴(変更内容と日時を確認できます)
  • アプリケーション内チャット(コメントにも対応)
  • ダウンロード不要の共有機能
  • 図の埋め込み(外部のウェブページに図を埋め込みます)
  • チーム管理(メンバーの招待、グループ作成、役割の割り当て)
  • 高度なセキュリティ(アクセス権限を管理し、誰が見ているか正確に把握します)

チームプランは、14日間無料でお試しいただけます。クレジットカードなどの登録は一切不要です。ネットワーク構成図の作成からチームメンバーとの共同作業まで、Cacooがあなたにとって最適なツールかぜひお確かめください。個人でCacooを使いたい方は、プラスプランがおすすめです。

チュートリアルガイドはいかがでしたか?ご紹介した手法やコツを使って、ぜひ見やすくて、理解しやすいネットワーク構成図をCacooで作成してみてください。

チームのアイデアを、いつでもどこからでも視覚的に共有しよう